人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

« 2018年3月 | メイン | 2018年5月 »

2018年4月 1日

みなさんそうされています(ビジネスサプリメント694号)

私は企業のご支援をさせていただく時、トップの方には「皆さんと同じ目線で物事をとらえますが、違った目線・外部目線を大切にします。気づいたことはどんどん申し上げ遠慮はいたしません」と宣言する。
急逝された星野監督が話されていたことを思い出した。監督としての契約をする時も、必ず1年契約としたいとご自分の退路を断たれるそうだ。マズローの「安全安定の欲求」をあえてカットされるのだ、そうすると1年1年が真剣勝負、必死になるしハングリーにもなる。今は産業ロボット化の時代だが、主体性をなくし、言われたことしかしない「ロボット化」したチームは勝ってもそれほど嬉しくないし、負けてもそんなに悔しくないのだ。
コンサルタント先で「ロボット化」した幹部の人達は自分だけは本船に乗ろうとせず「キャッチャーボート」に乗る人が必ずいる。これでは「改革」や「変革」は難しい。ずいぶん前だが8人乗りのカッター訓練をしたことがあった。8人がオールの漕ぎ方を合わせてペースをつかまないと進まないし、下手をすればオールでケガをし、海に投げ出されることがある。チームワークが求められる難しい訓練である。平昌オリンピックでのスピードスケートのパシュートと同じで3人の力を合わせないと日本のように金メダルを獲得出来ないのである。
以前に聞いた話であるが、船が沈みそうになった時、定員オーバーで誰か海へ飛び込まないといけない時の話だ。アメリカ人は「ヒーローになれますよ」、ドイツ人は「規則ですから」、日本人は「みなさんそうされています」と言えば飛び込むというたわいもない話がある。横並び意識の企業は必ず破綻するし、こんな人は次の人生はきっと上手くいかない。私は大型破綻を経験して身をもって感じる。未だ談合なんて言葉が話題を呼ぶように、まだまだ横並び意識があるから、本気になれば抜きんでることが出来るチャンスなのかも知れない。
横並び意識を払しょくして、要はやるべきだと思うことは「本気」になってやっていかなければ、道は拓けない。
この混迷の経済状況では「やるか!」「やらないか!」の二者択一しかない。

2018/04/01 08:51 |

2018年4月15日

上が言ったから(ビジネスサプリメント695号)

タイトルは上司に弱い組織人の心理を巧みに利用する言葉である。
「虎の威を」を借りて自分の意見を通す目的で頻繁に使われることが多いのではないだろうか。
実際に上司と綿密に打ち合わせをした訳でもない場合が多いので、名前ではなく「上」という表現をするのであろう。
最近は「上」は言っていないが部下が「忖度<そんたく>」して「上」の意向に沿って動くという訳の分からない事象が多くあるようだ。
危険信号は「上」という言葉が出た時である、まさに「自責」の世界ではなく「他責」の世界の言葉ではないだろうか。
職場で「上が言ったから」という言葉を使っていないだろうか?「上はこう言うが、私はこうだと思う」と言い切れるだろうか。要は「上が言うから自分には責任ないよ」と言う気持ちなのだろう。私も管理職の頃はこの言葉を良く言っていたような気がする。またトップになった時は、言ってもいないのに「上が言ったから」という言葉が飛び交い混乱したケースも経験した。誠に無責任極まりない言葉である。
印鑑を押す時を例にとってみよう、りん議書(もう死語かも)に印鑑を押す時と、保証人として印鑑を押す時は同じ気持ちや信念で押しているだろうか?
りん議書は全員の責任であり「赤信号みんなで渡れば怖くない」の心境になりがちではないか、しかし保証人は自分の責任と言う気持ちが強く働くものだ。要は「他責」から「自責の信念」へ切り替えなければいけない。
「上が言ったから」はまさにりん議書的感覚ではないだろうか。「自分はこう思う」と「上の言葉」を咀嚼出来る人は必ず部下に信頼されるし、社会からも求められる人である。
もしあなたの職場で「上が言ったから」という言葉が出たら危険信号点滅状態であると認識しよう。
他責から「気づき」は生まれないし、「やらされ感」しか残らない、ましてや「改革」や「変革」などとても出来ないことを肝に銘じよう。

2018/04/15 08:25 |

Entry Archive
2018年5月
2018年4月
2018年3月
2018年2月
2018年1月
2017年12月
2017年11月
2017年10月
2017年9月
2017年8月
2017年7月
2017年6月
2017年5月
2017年4月
2017年3月
2017年2月
2017年1月
2016年12月
2016年11月
2016年10月
2016年9月
2016年8月
2016年7月
2016年6月
2016年5月
2016年4月
2016年3月
2016年2月
2016年1月
2015年12月
2015年11月
2015年10月
2015年9月
2015年8月
2015年7月
2015年6月
2015年5月
2015年4月
2015年3月
2015年2月
2015年1月
2014年12月
2014年11月
2014年10月
2014年9月
2014年8月
2014年7月
2014年6月
2014年5月
2014年4月
2014年3月
2014年2月
2014年1月
2013年12月
2013年11月
2013年10月
2013年9月
2013年8月
2013年7月
2013年6月
2013年5月
2013年4月
2013年3月
2013年2月
2013年1月
2012年12月
2012年11月
2012年10月
2012年9月
2012年8月
2012年7月
2012年6月
2012年5月
2012年4月
2012年3月
2012年2月
2012年1月
2011年12月
2011年11月
2011年10月
2011年9月
2011年8月
2011年7月
2011年6月
2011年5月
2011年4月
2011年3月
2011年2月
2011年1月
2010年12月
2010年11月
2010年10月
2010年9月
2010年8月
2010年7月
2010年6月
2010年5月
2010年4月
2010年3月
2010年2月
2010年1月
2009年12月
2009年11月
2009年10月
2009年9月
2009年8月
2009年7月
2009年6月
2009年5月
2009年4月
2009年3月
2009年2月
2009年1月
2008年12月
2008年11月
2008年10月
2008年9月
2008年8月
2008年7月
2008年6月
2008年5月
2008年4月
2008年3月
2008年2月
2008年1月
2007年12月
2007年11月
2007年10月
2007年9月
2007年8月
2007年7月
2007年6月
2007年5月
2007年4月
2007年3月
お問い合わせ