人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2018年4月 1日

みなさんそうされています(ビジネスサプリメント694号)

私は企業のご支援をさせていただく時、トップの方には「皆さんと同じ目線で物事をとらえますが、違った目線・外部目線を大切にします。気づいたことはどんどん申し上げ遠慮はいたしません」と宣言する。
急逝された星野監督が話されていたことを思い出した。監督としての契約をする時も、必ず1年契約としたいとご自分の退路を断たれるそうだ。マズローの「安全安定の欲求」をあえてカットされるのだ、そうすると1年1年が真剣勝負、必死になるしハングリーにもなる。今は産業ロボット化の時代だが、主体性をなくし、言われたことしかしない「ロボット化」したチームは勝ってもそれほど嬉しくないし、負けてもそんなに悔しくないのだ。
コンサルタント先で「ロボット化」した幹部の人達は自分だけは本船に乗ろうとせず「キャッチャーボート」に乗る人が必ずいる。これでは「改革」や「変革」は難しい。ずいぶん前だが8人乗りのカッター訓練をしたことがあった。8人がオールの漕ぎ方を合わせてペースをつかまないと進まないし、下手をすればオールでケガをし、海に投げ出されることがある。チームワークが求められる難しい訓練である。平昌オリンピックでのスピードスケートのパシュートと同じで3人の力を合わせないと日本のように金メダルを獲得出来ないのである。
以前に聞いた話であるが、船が沈みそうになった時、定員オーバーで誰か海へ飛び込まないといけない時の話だ。アメリカ人は「ヒーローになれますよ」、ドイツ人は「規則ですから」、日本人は「みなさんそうされています」と言えば飛び込むというたわいもない話がある。横並び意識の企業は必ず破綻するし、こんな人は次の人生はきっと上手くいかない。私は大型破綻を経験して身をもって感じる。未だ談合なんて言葉が話題を呼ぶように、まだまだ横並び意識があるから、本気になれば抜きんでることが出来るチャンスなのかも知れない。
横並び意識を払しょくして、要はやるべきだと思うことは「本気」になってやっていかなければ、道は拓けない。
この混迷の経済状況では「やるか!」「やらないか!」の二者択一しかない。

2018/04/01 08:51

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