人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2018年4月15日

上が言ったから(ビジネスサプリメント695号)

タイトルは上司に弱い組織人の心理を巧みに利用する言葉である。
「虎の威を」を借りて自分の意見を通す目的で頻繁に使われることが多いのではないだろうか。
実際に上司と綿密に打ち合わせをした訳でもない場合が多いので、名前ではなく「上」という表現をするのであろう。
最近は「上」は言っていないが部下が「忖度<そんたく>」して「上」の意向に沿って動くという訳の分からない事象が多くあるようだ。
危険信号は「上」という言葉が出た時である、まさに「自責」の世界ではなく「他責」の世界の言葉ではないだろうか。
職場で「上が言ったから」という言葉を使っていないだろうか?「上はこう言うが、私はこうだと思う」と言い切れるだろうか。要は「上が言うから自分には責任ないよ」と言う気持ちなのだろう。私も管理職の頃はこの言葉を良く言っていたような気がする。またトップになった時は、言ってもいないのに「上が言ったから」という言葉が飛び交い混乱したケースも経験した。誠に無責任極まりない言葉である。
印鑑を押す時を例にとってみよう、りん議書(もう死語かも)に印鑑を押す時と、保証人として印鑑を押す時は同じ気持ちや信念で押しているだろうか?
りん議書は全員の責任であり「赤信号みんなで渡れば怖くない」の心境になりがちではないか、しかし保証人は自分の責任と言う気持ちが強く働くものだ。要は「他責」から「自責の信念」へ切り替えなければいけない。
「上が言ったから」はまさにりん議書的感覚ではないだろうか。「自分はこう思う」と「上の言葉」を咀嚼出来る人は必ず部下に信頼されるし、社会からも求められる人である。
もしあなたの職場で「上が言ったから」という言葉が出たら危険信号点滅状態であると認識しよう。
他責から「気づき」は生まれないし、「やらされ感」しか残らない、ましてや「改革」や「変革」などとても出来ないことを肝に銘じよう。

2018/04/15 08:25

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