最近「シカトする=無視をする」という言葉をよく耳にする。これは花札の鹿が顔を横に向けているところから「無視をする」ということにつながっているらしい。
仕事が上手く進めても褒められない、失敗しても叱られないとなれば、思考停止状態となり、働く気力がなえてしまう。人間は無視されるほど辛いことはない。職場での「イジメ」はまさにその無視からが原因のケースが多い。
私は数多くの顧問会社の社員の皆さんと個別ヒアリングをしてきた。日々の仕事について思うところや現状を約1時間お伺いするのである。もう延べ6千人以上の方々とお話しをさせていただいている。殆どの方は第3者の人間に話を聴いてもらえるだけでもまず安心される。安心しない方は何らかの問題や不安を抱えておられるが、聴き出すのは凄いエネルギーがいる。3~4人続けば相当疲れるが、回数を重ねる度に「直観」が働くようになった。基本はこちらが心を開けば、相手の方も殆どは心を開いていただけるものだ。
常に気を付けているのは「相づち」と「うなずき」である。「相づち」とは辞書では「刀を鍛える時などに打ち合わせるつち(槌)の意味」とあり、また人の話に調子を合わせるともある。相手の話を受けて「そうですか!」「なるほど!」
「言われる通りですね!」などボールを返す、そしてまた返ってくる、そう会話の「キャッチボール」が出来ないといけない。時には変化球を投げる、
「それは思い込みでは?」とか「このように考えられませんか?」など、お互いに笑い声が出てくればホンネの話が出来ているはずである。
「うなずき」も大切、講演会などをするとオーディエンスの方々がうなずいてくださると、安心して話がどんどん進められるものだ。
「相づち」も「うなずき」も相手に対する意思表示である。「シカト」ではなく
「あなたに興味を持っていますよ!」という、ボディランゲージなのである。
話し方についてメラビアンの法則というものがあり「外見・服装・表情・姿勢・しぐさ」など視覚については相手に55%の影響を与える、「話し方・声の大きさ・声の抑揚」など聴覚については38%の影響を与える、そして「話の内容」はわずか7%というものだ。
要はテクニックでも何でもなく、相手に興味を持つことが、話し合いの本来のあり方である。人を観て相づちをうち、うなずいてあげれば、相手は心を開き結果はついてくることを、数々の事例から学習した。
2018/03/13 06:44