人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2018年1月 5日

異文化から学ぶ(ビジネスサプリメント687号)

水の中のカエルを熱湯に入れようとするとすぐに飛び出すが、徐々に熱を加えて温度を上げていくとどうなるだろうか。カエルは温度の変化に気づかずにいわゆる「ゆでガエル」になってしまうそうである。水から熱湯という急激な変化には気づいても、水からぬるま湯、やがて熱湯という段階的な変化には気づかないのだ。
人間もこれと同じであれば恐ろしいことではないか。いや、だからこそ私はいろいろな温度を経験できたと改めて思う。一つの企業や職場に長く居続けると気づけないことが多いだろう。要はその状態が「当たり前」になってしまい、世の中の凄まじい変化に気づかなければ、新しい道は見えてこないのだ。また人間は自分と同じ仲間を集めれば安心するものである。まさにこれは「ゆでガエル」の状態だ。「常人とは異なる人」を排除しようという傾向でもある。
企業においてはしばしば「周りに異を唱える人」「NOと言える人」もこれにあたるのではないだろうか。言いたくても言えず黙ってしまう人の中には「建設的な意見」もあるかも知れない。
今大企業で多くの不祥事が多発しているが、「異を唱えられない」風土になっていたのだと感じる。
結果として企業や組織体が大きなコップとなり、その中で「ゆでガエル」を泳がせていたことになってはいないだろうか。
転職を勧める訳ではないが、転職するとこのコップの外に放り出されるわけであるから、自分とは異なるものの洪水である。私は初めて転職した時はまさにその状態であった、もうダメと思った時を思い出す。今まで自分が安心して、あるいは当たり前と思い込んでいたことが、普通ではなく今までのコップの中しか知らなかったが「思いもよらない可能性」が広がっていることも発見できたのである。
企業文化という言葉がある。もっと言えば「人」単位でも文化がある。他人には他人の文化がある、「踊り場=自分を見つめ直し新たな自分づくりをする場」で自分をリセットしなければ、この異文化と触れ合うことはないのではないだろうか。転職しなくても「企業内でのぶら下がり」から「企業内で自立した自分づくり」をすれば、この異文化と触れ合うことが出来、更に学ぶことも出来るのではないか。
異文化を受け入れる柔らかなマインドで前へ進んでいくことが、今ほど求められている時はない。

2018/01/05 18:29

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