年初めの日経新聞に「いつの間にか<仕事熱心>をやめた日本人」と題した社説が掲載されていた。今私が考えていることをずばり指摘されていた内容だったのでご紹介しながらコメントを加えていきたい。
「米のギャラップが昨年公表した、日本で<仕事に熱意を持って積極的に取り組んでいる>従業員の比率は全体の6%、調査した139ヶ国の中で132位と、最下位級にとどまった」とある。これは相当以外でありびっくりした。
また与えられた仕事を指示通りにこなす受け身の勤勉性はそれなりに高いものの、自ら主体的に仕事に取り組む姿勢に欠ける現状は非常に心配だともある。
まさに指示待ち人間なのだ、あるTV番組で独裁的なトップからの指示を間違いなく進めていくことしか考えず、幹部自から意見を言ったことがないという事例が紹介されていたが、その企業は破綻したのである。指示命令は有事の時は有効であるが、平時まで指示しか動けないのは誠に怖い事である。働き手の熱意の低い職場から新しい発見や開発は生まれない。
また仕事の「やらされ感」が強まれば、不祥事や労働災害も起こりやすくなるとあった。そう「やらされ感」からは疲れしか残らないし、まして指示や命令だけでは「達成感」は少ないのではないだろうか。自分が主語にならないと生産性は上がらない。従業員のモチベーションを高め、職場の活性化が急がれるのは言うまでもない。
また若い人が新しいアイデアを出しても、職場で多数派を占めることの多い中高年層が抵抗し、跳ね返される、そんなことが繰り返されれば、あきらめムードが広がり誰も何も言わなくなるとあった。もう重症である、「異を唱える人」や「NOと言える人」が居なければ活性化なんてありえない。まさに「学習性無力感=ダメだと思い込むことを学習する」が蔓延したらまことに怖い。
また外部の人材の導入も組織の刺激剤になる、パナソニックは外資系IT企業の元幹部を要職にスカウトし、官僚的な社内風土に風穴を開けようとしているともあった。
そう「鰯の生簀に鯰1匹=生命力のない鰯が生簀に異物の鯰が入ってきたことで、刺激を受けて生きていた」の事例を思い出す、まさに異文化に触れない事には先が見えてこないのである。
私が一番思うことは社内のコミュニケーションだ、幹部達はよく話していると必ず言うが、それは「つもり」であり実際は殆どコミュニケーションされていない組織を数多く見て来た。
日本も早く132位から脱出しなければならない時が待ったなしで来ている。
2018/01/15 07:05