人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

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2018年3月 1日

理想の上司(ビジネスサプリメント692号)

最近理想の上司ランキングなるものが発表されることが多い。
ちなみにあるアンケ―トでは男性では内村光良さん、タモリさん、池上彰さん、
残念なことだが最近逝去された星野仙一さんなど、女性では水ト麻美さん、天海祐希さん、吉田沙保里さんとあった。
そこで理想の教師で思い出したことがある、最近教師の方々はクラブ活動やその他いろいろと業務があり非常に疲れる仕事として報道されることが多いが、素晴らしい仕事であると思う。
下記はある教師の方のお考えが投稿記事として紹介されていた文面だ。
「私は25歳で高校教員になって3年目である。生徒達にはいつも言っている。授業中の居眠りは結構であるが、授業を真面目に聞きたい生徒の権利を侵害することは許さない。高校は義務教育ではない、私は生徒達にどんどん授業に参加して欲しいし、自分も懸命に勉強をしている。私の知らないことを質問されると意欲がわいてくる、生徒に負けたくないからだ。自分が嫌な授業を捨てる生徒もいるが、好きなことしか出来ない人は社会に出たら誰からも相手にされないかも知れない。私も社会に出て初めて分かった。何でも一生懸命にやっておくべきだ、必ず役に立つ。嫌なものや嫌いな人との付き合いも勉強しておかないとダメだと考えている」
3年目にしては凄い教師だと思う。
振り返って私が上司の立場だった頃、今だったらパワハラと言われるような指示や命令をしていなかっただろうか?部下の気持ちを良い意味で忖度していただろうか?
相手の目線に合った言い方や、示唆が出来ていただろうか?相手がどのように伝えたことを理解しているのか検証しただろうか?間違っていることはその場で指摘していただろうか?数々の反省事項が浮かんでくる。
過去のご支援していた企業や組織体で権威や地位だけで抑えつける多くの上司の方々を見てきた。そういう方々は必ず部下が付いてこないと嘆かれるのだ。
権威や地位で動いている組織は破綻する可能性大である、後ろを見ると部下の誰もいなかったなんて悲劇にならないようにしたいものだ。
上の立場になれば、常に部下の方々に関心を持ち、謙虚な姿勢とメリハリある態度で接することが大事だ。人を育てるということは本当に難しいことであるが育った部下を見て心から喜べる上司になれば言うことはない。

2018/03/01 07:18 |

2018年3月13日

心を開く(ビジネスサプリメント693号)

最近「シカトする=無視をする」という言葉をよく耳にする。これは花札の鹿が顔を横に向けているところから「無視をする」ということにつながっているらしい。
仕事が上手く進めても褒められない、失敗しても叱られないとなれば、思考停止状態となり、働く気力がなえてしまう。人間は無視されるほど辛いことはない。職場での「イジメ」はまさにその無視からが原因のケースが多い。
私は数多くの顧問会社の社員の皆さんと個別ヒアリングをしてきた。日々の仕事について思うところや現状を約1時間お伺いするのである。もう延べ6千人以上の方々とお話しをさせていただいている。殆どの方は第3者の人間に話を聴いてもらえるだけでもまず安心される。安心しない方は何らかの問題や不安を抱えておられるが、聴き出すのは凄いエネルギーがいる。3~4人続けば相当疲れるが、回数を重ねる度に「直観」が働くようになった。基本はこちらが心を開けば、相手の方も殆どは心を開いていただけるものだ。
常に気を付けているのは「相づち」と「うなずき」である。「相づち」とは辞書では「刀を鍛える時などに打ち合わせるつち(槌)の意味」とあり、また人の話に調子を合わせるともある。相手の話を受けて「そうですか!」「なるほど!」
「言われる通りですね!」などボールを返す、そしてまた返ってくる、そう会話の「キャッチボール」が出来ないといけない。時には変化球を投げる、
「それは思い込みでは?」とか「このように考えられませんか?」など、お互いに笑い声が出てくればホンネの話が出来ているはずである。
「うなずき」も大切、講演会などをするとオーディエンスの方々がうなずいてくださると、安心して話がどんどん進められるものだ。
「相づち」も「うなずき」も相手に対する意思表示である。「シカト」ではなく
「あなたに興味を持っていますよ!」という、ボディランゲージなのである。
話し方についてメラビアンの法則というものがあり「外見・服装・表情・姿勢・しぐさ」など視覚については相手に55%の影響を与える、「話し方・声の大きさ・声の抑揚」など聴覚については38%の影響を与える、そして「話の内容」はわずか7%というものだ。
要はテクニックでも何でもなく、相手に興味を持つことが、話し合いの本来のあり方である。人を観て相づちをうち、うなずいてあげれば、相手は心を開き結果はついてくることを、数々の事例から学習した。

2018/03/13 06:44 |

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