第2の人生で上手くいかない人が圧倒的に多い。どうしても以前はこうだったからが抜けないのである。私もそうであった、特にリストラ的に転職した人は「異文化」についていけないケースを数多く見て来た。
特に部長とか課長職にあった方はその傾向が強い。何故なのだろう?メンタルな部分でしか述べられないが、私はリストラする側とされた側の気持ちがよく分かるのだ。何故なら私はどちらも経験をしたから。
1. リストラする側は
① 中高年で給料も高くあまり会社にいて欲しくない人をターゲットにする。
② ともかく経費を減したい、一番手をつけやすいのが人件費なのだ。
③ スリムになり若手を登用し、活性化で補いたいと思うのである。
④ 何とか円満に収めたいと思う気持ちが強く出る。
2. リストラされる側は
① 今頃辞めろと言われても、この歳ではもう何処にも行けない。
② 適応することが億劫になるし、給料は下がる、まだローンも残っているし
子供の教育費もいる。
③ 我々は会社のために尽くしてきたのだ、それをモノ扱いされ「プライド」が許さない。
④ 誰が責任者だったのだ?俺ではない、責任者出て来い!と言いたい。
こんなことではないだろうか。
私も倒産後お誘いをいただいた企業はあったが、自分には到底出来ない仕事だった。また「貴方に来ていただくセクションはありませんよ!」と言う扱いもされ、かなり落ち込んだこともあった。多くの方々もそんなご経験があるのではないだろうか。しかしそれが当たり前の世界なのだ。これは自分がその立場になってみないことには絶対に分からない。
いくら自分が昔頑張ったとしても過去は過去である。「今の時点でどれだけ出来るのか」がポイントであり、それが嫌なら自分で独立すれば良い。
その通りなのだが「じゃーどうするの?」と迷いのモードに陥る。しかし時計の針は止まらない、何とかしなければならないのだ。
私はベンチャー企業への転職であった。何万人の会社からの転進であり、若い人達ばかりで大丈夫なのか不安は凄くあった。まぁやってみるか!と思い悩んで決断したのである。
解は「当たり前のことを当たり前にする、自分の報酬は自分で稼ぐ」であった。
そして「この仕事が好きになること」、これを忘れてはならない。
2017/10/01 06:39
| パーマリンク
ソフトバンクが9月16日にリーグ優勝を決めた。その陰には監督の素晴らしいマネジメントがあったのだ。あるニュースによると8月1日に救援のサファテが京セラドーム大阪の延長12回、オリックスのロメロにサヨナラ弾を浴びてしまった。セーブ王のサファテが「先発投手がこれだけ連続して早いイニングで降りていたら、そのツケはこっちに回ってくる、先発投手はツケを感じ取って欲しい、ベンチも先発をもっと信じてイニングを投げさせるのも1つではないか!」とかなりまくしたてたらしい。
しかし翌日の試合前にサファテは球場の監督室に行き、前日のサヨナラ弾を被弾したこと、先発陣の早期降板が続き、報道陣を前にブチ切れていたことに対して、監督に面と向かって「申し訳なかった」と真摯に謝罪したのである。
サファテは他責から自責へのチェンジが出来たのであろう。36歳ながら、4連投も8回からの回またぎも志願してくるサファテに対して、工藤監督は「君の様な素晴らしい奴はいない、全幅の信頼をおいている、こちらこそ申し訳ない、君にそういうことを言わせてしまった、俺は凄く反省している」と逆に指揮官だった監督が頭を下げたとあった。1選手に言わせてはいけない言葉を吐かせたことを悔いたからだったのだ。監督の自責感から出た言葉である。その言葉を聞いたサファテはびっくりしただろうし、自分自身のモチベーションは高まったのではないだろうか。きっとさらにサファテと監督の距離も近づき同じ方向を向くことが出来たのであろう。
随分昔の話であるが、先日TV番組の「しくじり先生」という番に阪神の江本投手が出演されていた。江本選手はベンチの数々の采配のおかしさに、とうとう爆発して「ベンチがアホやから野球が出来へん!」とベンチへ下がり、グラブを投げつけ引退してしまったことがあったのだ。その番組で江本氏はベンチ批判をしたことを悔いていた。言ってはいけないことを言ってしまったと反省の弁を述べておられたのである。
相手の気持ちを忖度して、少し違う言葉を発することにより、結果は大きく違うものである。
リーダーやフォロワーは自分の気持ちだけを考えるのではなく、相手の気持ちを思いやる心や態度を少しでも感じるようになれば、組織の雰囲気は随分違うものになることを肝に銘じたいものだ。
2017/10/07 10:37
| パーマリンク
元プロ野球監督の権藤博氏がコーチ時代に何人もの監督に仕えて「もし自分が監督になったらこれだけは絶対にしない」と感じたことを記載された「教えない教え」と言う新書を以前に読んだことがある。権藤氏がアメリカの教育リーグに行かれた時に次のようなことを学ばれたことが監督になられて生きてきたと言われる。
あるアメリカのコーチが選手に「バッティングゲージの右側のネットに打球を当てろ、そうするとライトヒッティング(右打ち)が出来る、ボールが当たったら自分を呼びに来い」と指示をされたらしい。しかしその選手は出来ずにそばにいた権藤氏に聞いてきたので「もっとバックスイングの時にタメをつくりなさい」と教えられたと言う、そうすると選手の打球が右側のネットに当たるようになったらしい。その選手はコーチに「出来ました」と言うと、「誰に教えてもらった?」となり、権藤氏だと判明したようだ。そのコーチは権藤氏に「教えてくれるのはありがたい、でも教えられて覚えた技術はすぐに忘れてしまうものだ、それとは逆に自分で掴んだコツと言うものは忘れない、だから我々コーチは選手がそのコツを掴むまでじっと見守ってやらなければいけないのだ」と指摘されたそうだ。コーチに「Don't over teach」 と言う言葉を言われ、その言葉が忘れられないと言われていた。どうしても指導者は教えたくなるものだが、丁寧に助言をし、我慢強く見守っていく姿勢を保つことが大事と述べられている。
まさに本人の「気づき」が大切であり、そのことが自分のものとなるのである。理解出来るまで待たねばならないし、我慢が必要なのだ。前職時代にも「こうすれば良い!」と言わずに、我慢強く本人に気づかせたことが多かった。例えばお客様の接遇においてさわやかな笑顔を忘れないようにするためには「笑顔を絶やさないように!」では徹底出来なかった。そこで「あなただってお客様!」と言うコピーを考え「自分たちがお客様になった時にどのような接遇をして欲しいか?」を考えさせたのである。そうすると、つくり笑顔ではなく、心からの笑顔で素晴らしい応対が出来た販売員が大勢出て来たのを思い出した。そう!教えると言うことはいかに「気づきをナビゲート」させるのかが大切であり、本人が主体的に動けるようにすることであるのを忘れてはならない。それにしてもイチローの日頃の心身鍛錬と数々の大記録、マー君の日米通算150勝は素晴らしい。
2017/10/18 12:42
| パーマリンク