ソフトバンクが9月16日にリーグ優勝を決めた。その陰には監督の素晴らしいマネジメントがあったのだ。あるニュースによると8月1日に救援のサファテが京セラドーム大阪の延長12回、オリックスのロメロにサヨナラ弾を浴びてしまった。セーブ王のサファテが「先発投手がこれだけ連続して早いイニングで降りていたら、そのツケはこっちに回ってくる、先発投手はツケを感じ取って欲しい、ベンチも先発をもっと信じてイニングを投げさせるのも1つではないか!」とかなりまくしたてたらしい。
しかし翌日の試合前にサファテは球場の監督室に行き、前日のサヨナラ弾を被弾したこと、先発陣の早期降板が続き、報道陣を前にブチ切れていたことに対して、監督に面と向かって「申し訳なかった」と真摯に謝罪したのである。
サファテは他責から自責へのチェンジが出来たのであろう。36歳ながら、4連投も8回からの回またぎも志願してくるサファテに対して、工藤監督は「君の様な素晴らしい奴はいない、全幅の信頼をおいている、こちらこそ申し訳ない、君にそういうことを言わせてしまった、俺は凄く反省している」と逆に指揮官だった監督が頭を下げたとあった。1選手に言わせてはいけない言葉を吐かせたことを悔いたからだったのだ。監督の自責感から出た言葉である。その言葉を聞いたサファテはびっくりしただろうし、自分自身のモチベーションは高まったのではないだろうか。きっとさらにサファテと監督の距離も近づき同じ方向を向くことが出来たのであろう。
随分昔の話であるが、先日TV番組の「しくじり先生」という番に阪神の江本投手が出演されていた。江本選手はベンチの数々の采配のおかしさに、とうとう爆発して「ベンチがアホやから野球が出来へん!」とベンチへ下がり、グラブを投げつけ引退してしまったことがあったのだ。その番組で江本氏はベンチ批判をしたことを悔いていた。言ってはいけないことを言ってしまったと反省の弁を述べておられたのである。
相手の気持ちを忖度して、少し違う言葉を発することにより、結果は大きく違うものである。
リーダーやフォロワーは自分の気持ちだけを考えるのではなく、相手の気持ちを思いやる心や態度を少しでも感じるようになれば、組織の雰囲気は随分違うものになることを肝に銘じたいものだ。
2017/10/07 10:37