昔から戦国三武将(信長・秀吉・家康)の性格を表す句として次の三句がある。
① 鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス(信長)
② 鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス(秀吉)
③ 鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス(家康)
これ以外に諸説があるようだが次の二句もある。
④ 鳴かぬなら それもまたよし ホトトギス
⑤ 鳴かぬなら 私が鳴きます ホトトギス
① は誠にドラスティックな表現である。「リストラ」ばやりの昨今、このケースが多いのではないだろうか。しかし殺されるのではなく、そのことをきっかけに生まれ変わる時と考えたいものだ。組織にぶら下がっていた自分に気づき自立するチャンスなのだ。
② は今流行りの「コーチング」かも知れない、時間がかかっても必ず次の道は拓けるのである。ダーウィンの「強いものが生き残るのではなく、変化に対応するものが生き残る」という言葉を忘れないようにしたい。
③ 超スピードを要求される時代、待っていては何も得られない。良いタイミングをつかむためならば理解は出来るが、やはりまずは鳴くことありきだ。
④ は達観した表現である、あきらめではなく、良い意味での開き直りが必要かも知れない。そこからまた必ず新たなものが見えてくる。
⑤ はよくあるパターンだ、教えるより自分がやった方が速いと思ってしまう。山本五十六氏の「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かぬ」かもしれないが、続く言葉の「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば人は育たず」は心に響く。
この5句から感じることは、今こそ世の中の変化を素早くキャッチし、時代と共に変わる柔軟性が求められるのではないだろうか。
2018/06/01 08:23
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個別ヒアリングをしたある組織のお話である。その組織は他から見ればリーダーの下に素晴らしいチームワークで成果を残していると言われていた。
メンバーと個別にゆっくりとお話を聞かせていただいたが、どうも様子がおかしい。リーダーは聞く耳を持たず、一方的に理詰めで攻め立てる、反論できる余地もないし言っても何倍にもなってかえってくると言うではないか。もちろん私を警戒してなかなかホンネを言わない方もあったが、最終的にはほぼメンバー全員が「ヤル気」が出ないと言われたのである。風土が「見ざる」「言わざる」「聞かざる」になっていた。そして極め付きは「リーダーは我々にはいろいろと指示するが、リーダー自身は何もしない、今更辞める訳にいかず面従腹背している」と言う。また月曜日が辛く日曜日の夜になると憂鬱になると言う人も多かった。良く言われる「サザエさん症候群」なのだ。もちろん各人の性格特性があり、捉え方もいろいろなので各人の目線に合わせて「自分を高めていくことが大切、やらされ感だけでは自分が損をする」とナビゲートしたのは言うまでもない。
そこで最終リーダーの方とお話をさせていただいたが、物腰柔らかく論理的にお話される。あなたの信頼されている部下の方は?とお伺いしたが名前が具体的にはあがらない、最後は全員の意識が低いので毎日厳しく指示をしているとのこと。要はメンバーがどのような気持ちで毎日過ごしているのかを良く把握はされていない。そこでもう少し自分たちで考え自ら動けるようにされるべきではないだろうかと申し上げたら、そのようなことをすればまたまた甘くなり、生産性が落ちると言われる。したがって言い続けていかないとダメと真剣に思われていた。しかしそのようなリーダーシップは短期であれば良いが、長くしていると「言われたことだけしかしなくなるし、指示がなければ動かなくなる」「また言っているよ」と思われるだけで、現に全員のモチベーションが著しく落ちていると指摘した。今後は各人の性格特性を良く見て個別に指導すること、「自分目線」ではなく「相手目線」に合わせてメンバーと一緒に汗かく姿を見せることが大切ではないだろうかと諭した。
示唆した時は意外に素直に聞かれた、数か月後リーダーから最近はみんなと上手く仕事が進められるようになってきたと言う嬉しいご連絡をいただいた。
メンバーにお話しする機会がなかったが、トップにもお伺いするとみんなイキイキしていますよと話されていた。
2018/06/15 06:15
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