人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2018年12月12日

ドライバー心理(ビジネスサプリメント712号)

以前地方へ講演に行った時のこと、最寄り駅から講演会場までかなりの距離があったので、迎えの車に来ていただいた。私は講演の時は必ず30分前には目的地に到着するようにしているのでしばらく待って、迎えの車に乗せていただいたのである。途中である交差点の信号機があり、随分赤信号が長いように感じたので、運転されている方に「この赤信号長いですね」と尋ねてみた。そうするとその方も「やはり、その様にお感じになりますか」と言われ、実は訳がありこの道はご覧の通り狭い道だが車も多い、今までは信号の間隔が極めて短かったために、赤に変わりそうになると無理に突っ込んでしまう車が多く、事故が絶えなかった言われるではないか。そこで今のように少し赤信号の時間を長くした経緯があったらしい。ところがその方曰く「長くすると余計に事故が増えました」と言われた。長く待たされるとドライバーは苛立ち、信号が変わる寸前に待ちきれずまた突っ込む車が増えてしまったと言う。「ドライバー心理」を考えずに帰納法的に考えた結果が招いたことではないだろうか。演繹法的な発想で、長くしてみたらどうなるかという仮説を立ててみることが欠けていたのである。
そう言えば自宅近くで小さな子供さんが、信号機ばかり見て青になったので
横断歩道を渡っていたのを思い出した。左右確認せずに「青は大丈夫!」と思い込んで渡ったのだが、子供さんに念のために「左右確認」ということが教える事が大事かも知れない。
また「赤信号でも左右に車が見えない時は、つい渡ってしまう」場面を見かけることも多い。
今「あおり運転」や「逆走」等、とても考えられない交通事故が多発しているのは誠に怖い。
我々もビジネス上において、このような事例に近いことに遭遇していないだろうか。お客様や、相手の問題提起に対して現象面だけを改善して解決と思ったら大間違いであろう。「相手の心理や行動まで読み取る」ことが混迷の時代に必要ではないだろうか。

2018/12/12 08:02

Entry Archive
2018年12月
2018年11月
2018年10月
2018年9月
2018年8月
2018年7月
2018年6月
2018年5月
2018年4月
2018年3月
2018年2月
2018年1月
2017年12月
2017年11月
2017年10月
2017年9月
2017年8月
2017年7月
2017年6月
2017年5月
2017年4月
2017年3月
2017年2月
2017年1月
2016年12月
2016年11月
2016年10月
2016年9月
2016年8月
2016年7月
2016年6月
2016年5月
2016年4月
2016年3月
2016年2月
2016年1月
2015年12月
2015年11月
2015年10月
2015年9月
2015年8月
2015年7月
2015年6月
2015年5月
2015年4月
2015年3月
2015年2月
2015年1月
2014年12月
2014年11月
2014年10月
2014年9月
2014年8月
2014年7月
2014年6月
2014年5月
2014年4月
2014年3月
2014年2月
2014年1月
2013年12月
2013年11月
2013年10月
2013年9月
2013年8月
2013年7月
2013年6月
2013年5月
2013年4月
2013年3月
2013年2月
2013年1月
2012年12月
2012年11月
2012年10月
2012年9月
2012年8月
2012年7月
2012年6月
2012年5月
2012年4月
2012年3月
2012年2月
2012年1月
2011年12月
2011年11月
2011年10月
2011年9月
2011年8月
2011年7月
2011年6月
2011年5月
2011年4月
2011年3月
2011年2月
2011年1月
2010年12月
2010年11月
2010年10月
2010年9月
2010年8月
2010年7月
2010年6月
2010年5月
2010年4月
2010年3月
2010年2月
2010年1月
2009年12月
2009年11月
2009年10月
2009年9月
2009年8月
2009年7月
2009年6月
2009年5月
2009年4月
2009年3月
2009年2月
2009年1月
2008年12月
2008年11月
2008年10月
2008年9月
2008年8月
2008年7月
2008年6月
2008年5月
2008年4月
2008年3月
2008年2月
2008年1月
2007年12月
2007年11月
2007年10月
2007年9月
2007年8月
2007年7月
2007年6月
2007年5月
2007年4月
2007年3月
お問い合わせ