日経新聞に「こころの健康学」と題したコラムを認知行動療法研修開発センターの大野裕氏が掲載されている。
先日は内容が「人間関係の太陽政策」というテーマだったが、非常に興味深いものだったので少し引用させていただく。
「北風と太陽の北風のように、厳しいことをガミガミと言っても相手は耳を貸そうとしない。いくら正論でも厳しい言葉や態度では相手は心を開かない。それどころか、かえって反発されて人間関係がスムーズにいかなくなる」とあった。
私の経験上トップだった頃正論をガンガン言っていたころがあり、表情も険しかったようだ。以前の仲間に聞くと、厳しかったし何も言い返せなく、反発を覚えたというではないか。タテマエや正論だけでは、相手の心に響かないことが多い。
しかし時には厳しく言わないといけない時があるのは言うまでもない。
「私たちは会話する時に、言葉の内容よりも口調や態度に鏡のように反応してしまう傾向がある」ともあった。
そこでメラビアンの法則を思い出した。
「外見」「服装」「表情」「態度」「姿勢」「しぐさ」等視覚から伝わることは実に55%、「話し方」「声の大きさ」「抑揚」等聴覚から伝わることは38%、そして大切な「話の内容」から伝わるのは何と7%と言うものだ。
私は今個人ヒアリングを大勢の方々とさせていただいているが、険しい表情や口調で話すと、相手も反応的に険しくなり、やや厳しい口調で言い返された経験がある。話す内容が全く正論やタテマエの場合には、ホンネからかけ離れて不満な気持ちが強くなることが多い。
内容にもよるが穏やかな表情で、良く聴いてまずは肯定すると相手の反応が違ってくる。
そう!いきなり「北風」を吹かすと相手は風邪をひいてしまう、「太陽」のようなオーラを出していくと、心を開いてホンネで話が出来、話すことを理解していただける。
お互いの信頼関係のもと、有事や緊急度によって「北風」が出てしまうのは仕方がないが、なるべく「太陽」を心掛けたいものだ。
2018/12/01 06:53