早期退職(ビジネスサプリメント725号)
先日の日経新聞に「早期退職はや8000人」という記事が掲載されていた、面白い記事だったので少しご紹介してみる。「人手不足が続くにもかかわらず、大企業で定年前の退職を募る早期退職が増えている。2019年1~6月には上場企業の17社が合計で約8200人の早期退職者を発表し、半年で18年を上回った。業績が好調なうちに人員を適正化して事業環境の変化に備える動きも目立つ。応募者側も人生100年時代をにらみ、早期にキャリアの再設計に動く中高年も増えている」とあった。
19年1~6月に上場企業が募集を発表した早期退職者数は18年の年間の人数の約2倍になっているようだ。また45歳以上を対象にした早期退職者も増えているらしい。
但しこれはあくまで上場企業や、スタートアップ企業などの引き合いも強く、またデジタル化に伴う若者が必要とされている状況もあり、中小企業や零細企業の実態はまだまだ「人手不足」が続いている現実は否めない。
リクルートワークス研究所によると、企業が年功序列から成果主義型にシフトするなか、上場企業では40歳代で課長になる人は10年前に比べて2割減り、40歳代で会社での自分の先が見えてしまい、モチベーションを持って働くために早期退職で新天地を求める人が多いと分析していた。人生100年時代を見据えた動きかも知れない。
早期に退職を決意したら、自分には「何が出来るのか?何が強みなのか?」をはっきりさせておかないと上手くいかないことは必定であるし、筆者の知人でも慌てて応募してもミスマッチのケースを多く見受ける。
また定年後の転職もそう簡単にはいかないケースを数多く見ている。いくらキャリアがあって、強みを持っていても企業は年齢で線を引きたがる場合が多く、上手く退職できない実態がある。最近、ハローワークの窓口は中高年の方々が多いらしい。
記事の末尾に「中途採用市場が広がり、年功ではなく実力主義の評価・賃金制度を持つ企業が増えれば、高齢者も60歳を超えて再雇用になって賃金が一律にカットされるといったことがなくなり、モチベーション維持につながる」とあったが、早期退職はまだまだそれにはほど遠い現実があることを忘れてはいけない。
2019/08/01 06:07 | パーマリンク