関西では相手のことを名指す時、「自分は」という時がある、本来は「君は、あなたは、おまえは、○○さんは」なのだが。
あるアスリートが「明日はもっと自分のモチベーションを高めてがんばります」というコメントをしていたのを記憶している。この言葉は主語が「自分」なのである。主語が自分でなければ、誰かの所為(せい)にして逃げてしまい、「他責」にする。他責は楽であるが、次が見えない。自ら原因を追究し、努力していこうという姿勢にはならず、ますますモチベーションが落ち悪循環になることが多い。
お手伝いしていてよく管理職以上の方から「社員のモチベーションが上がらず、どうしたら良いでしょうか?」というご質問をいただくことが多い。このような質問に対しての答えは「ない」、何故ならモチベーションを主語にしているかぎり、良い方法は見つからないと思う。原因の所在が曖昧になり、どこをどう改善すればいいか、皆目見当がつかなくなる。部下が何を思っているかを常に気に留め、目を配り、「あなたならどうする?」と声をかけ、気づかせないと、自分が主語にならない部下の集団になってしまう。そうすると仕事上での行き違いが生じて、生産性がダウンする。自分が主語に出来るように導き、気づかせれば生産性は加速度的にアップし、モチベーションも上がってくるものだ。
自分が何故モチベーションを高められなかったかと転換してみることが大切である。上手くいった時はそれに満足するだけで、成功要因を体験値としてストックしていなかったからではないか。失敗した時のシーンが頭にあるからではないだろうか。自分を主体に掘り下げれば、その理由は全て自分自身の中に見つけられるはずだ。
自分を主語ににしよう、他責はやめよう、「・・・だったから」の口癖を止めるだけで、かなりの気づきが芽生えてくるものだ。
もちろん管理職自身も主語が自分でなければならないことは言うまでもない。
2018/10/01 06:41