人口減社会(ビジネスサプリメント722号)
新しい令和の時代が始まった。まず人口減社会を考えてみたい。
日経新聞によると、先日総務省が発表した2018年10月1日時点の人口推計によると、外国人を含む総人口は17年の同じ月に比べて26万3千人少ない1億2644万3千人だったようだ。減少は8年連続、減少率は0,21で統計を取り始めた1950年以来、最大となったとある。また1年間の出生数から死亡者数を差し引いた人口の自然増減は42万4千人の減少。自然減は12年連続で高齢者の増加と出生数の減少が背景にある。年齢層別の割合を見ると、15歳未満の人口は全体の12、2%で過去最低となり、70歳以上は何と
20、7%と初めて20%を超えたようだ。労働の担い手となる15~64歳の「生産年齢人口」は51万2千人減の7545万1千人となり、総人口に占める割合は59,7%で、50年以来最低となったのである。まさに人手不足が成長の足かせとなりかねない実態が浮き彫りとなった。まさに少子高齢化時代そのものであるが、70歳以上が20%はいささか驚いた。そう団塊の世代の最後の方々は70歳を迎えるのだ。
知人の男性で60歳定年を迎えて、継続雇用をせずに他の企業に2年間在籍した方がおられたが、どうも自分が満足出来る仕事ではないとのことで辞められた。
気分を変えて事務職募集に応募されたが、何と4人の求人に25人の応募、
中高年者や女性の応募が多かったとかでNG、特にシニアでまだまだ力もあり仕事がしたい方は沢山おられるのだ。また現在女性で働いている方が50%を超えたらしい。
若者が少ない時代を迎えて、ますますシニアや女性の活用が喫緊の課題になってくるものと思われる。
映画「マイ・インターン」のロバート・デ・ニーロのような70歳代の「経験値」を活用しなければ生き残っていけない時が来ているのは言うまでもない。
最近のニュースだが厚労省も70歳以上も厚生年金加入を検討しているとの事。
AIやロボット技術の活用と共に、機械にとって代われない人間特有の能力を伸ばすことも大切であり、それは好奇心や共感、経験値から培われた社会性のスキルではないだろうか。まさに「経験や好奇心は色あせない」のである。
今ほど働き手と企業の双方の意識改革が求められる時はない。
2019/05/01 08:31 | パーマリンク