決断(ビジネスサプリメント730号)
ご支援していた会社で仕事を手一杯抱えておられる方がいた。その方は
「人も足りないし、自分がやった方が速いから人に任せられない」と言うではないか。そこで筆者が「まずは抱える案件の優先順位を判断されてはいかがですか?きっと問題点がはっきりしてきますよ」とお答えしたことがあった。
その後彼は仕事の一覧表を作成し、仕事のスケジュール化をされ、他の人にもある程度任された。そして優先順位を明確に判断して、場合によっては切り捨てるものも出て来た。今は非常に段取り良く、スピーディーに仕事を実践されるようになった。
判断という言葉から、筆者は入社間もない頃「早い判断か正しい判断か?」どちらが正解かをかなり上席の方に愚問したことを思い出した。その方曰く「早い判断!」とお答えになったことを思い出した。またまた筆者は愚問を繰り返し「どうしてですか?」と尋ねた。その方は即座に「判断というものにはタイミングがある、そのタイミングを逃すと何も残らない、やってダメなら修正すれば良いではないか」と答えられた。当時「なるほどなぁ」と思ったことがあった。
辞書には「判断」とは前後の事情を総合して物事の是非曲直(どうするのが一番良いのか)を決めることとある。それでは「決断」はどうだろう、なすべき行動、とるべき態度等を迷わずに決めることとあった。
言葉の遊びをしているのではない、今の時代に求められるのは「決断」ではないだろうか。
判断しても行動しなければ何の意味もない、決断は実践につながるのである。
自ら変革出来ないのは「決断力」が弱いと言わざるを得ない。先送り(あまりやりたくない)、前例主義(新しく考えようとしない)、思いこみ(柔軟に考えようとしない)のいずれかではないか。
早い判断をし、早い決断をしなければ実践には結びつかないものだ。
筆者も数知れず実践する場を逃した経験がある。大阪弁で「やってなんぼ!」
という言葉があるが、今まであまり好きな言葉ではなかった。しかし今の世の中の荒波を見るとまさにこの言葉が身にしみる。
2019/12/01 09:04 | パーマリンク