一隅を照らす(ビジネスサプリメント727号)
ある解説によると「一隅(いちぐう)を照らす」という言葉は、伝教大師最澄の著書より出典されたものらしい。
4字熟語では「一燈照隅(いっとうしょうぐう)、万燈照国(ばんとうしょうこく)」ともいうようだ。
「最初は一隅を照らすような小さな灯火でも、その灯火が十、百、万と増えれば、国中を明るく照らすことになる」という意味がある。
身近な話では、自分のことばかりを考えて生活していると、他人への思いやりの心がなくなり、正しい人間生活を送ることが出来ない。
職場や家庭など自分自身が置かれたその場所で精一杯努力し、明るく光輝くことの出来る人こそ尊い。一人一人がそれぞれの持ち場で全力尽くすことによって社会全体が明るく照らされていくとあり、「人の痛みがわかる人」「人の喜びが素直に喜べる人」「人に対して優しさや思いやりが持てる心豊かな人」こそ、宝であると述べられている。
組織の仕事もこれと同じではないだろうか。一人一人の役割を全うし、それがより集まれば大きな光(成果)となるのである。「トップに立つ人は光輝いているだろうか?現場第一線の人達は光輝いているだろうか?あまりにも閉塞感が蔓延していないだろうか?」一度振り返ってみてみよう。個人個人でいろいろな思いや悩みがあるかも知れない。「今の自分の心の中の万燈は全て光輝いているだろうか?」
もし一燈が消えかかっていたら万燈が消えるかも知れない。
その時々で心の状態も違うのは当たり前である。一燈を灯すだけでも大変な努力がいるし、努力し続けないと光は消える。また強い「勇気」や「信念」が必要ではないだろうか。上杉鷹山ではないが「種火」は消してはならないし
「あきらめない・あせらない・あわてない・あなどらない・あてにしない」の5つの(あ)を忘れてはいけない。自分自身が光れば周りの人達も光輝くものだ。
「面白くない時も」「落ち込んでいる時も」絶対に一燈も消さず、努力を続けたら素晴らしい結果が出てくると確信する。
2019/10/01 08:43 | パーマリンク