シンクロ(ビジネスサプリメント744号)
最近本当にびっくりしたことがあった。外部のお世話になっている方だが、お互いについつい連絡を取り合う機会が少し途切れていたのである。いきなりお電話するのもどうかと思い、まずメールを送ろうと作成していた途中に着信メールが届いた。何とその着信メールは私がメールを送ろうとしていた方なのだ。
私のメールは途中だったので、まず保存し着信メールを読み、再度中途から変更文を入れ送信した。おそらく相手の方もびっくりされただろう。そして、その後お電話を差し上げお目にかかることになったのである。誠に不思議としか言いようがない。相手の方とお目にかかった時、その方も驚いておられて、よりお互いの親近感が増してきたのは言うまでもない。
このようなことを心理学者ユングはシンクロニティーと呼んでいる。日本語で言えば「偶然の一致」とでも言えるかも知れない。そういえば今は「アーティスティックスイミング」と名称が変わったが「シンクロナイズドスイミング」は
まさに演技の一致を競うスポーツである。日本を世界のシンクロ界の強豪に育て上げた立役者、井村雅代さんの本を読んだことがあるが、シンクロのあの美しさを出すため選手達は想像を絶する訓練をされているのだ。
日頃の活動においてもシンクロがある時は必ず上手くいくケースが多いような気がする。ビジネスでもこの考えは大切ではないだろうか。初対面の相手の方とお話しする時も、第一印象で決めつけて思い込んではいけない、思い切りシンクロすることが大切だ。要は相手目線を意識して振る舞うことである。子供服売り場の販売員は子供さんの目線までしゃがんで話をする。相手の方がテンポの速い話をされる方だったらこちらも合わせよう。私はご支援先のメンバーと個別ヒアリングする時は相手の方のテンポに必ず合わせるようにしている、まるで演奏会の「コンサートマスター」のように。そうすると不思議に相手との話が弾み交流できるものだ。かたくなに自分の形を崩さない方もおられるが、そこはもう少し柔軟性を持ち、少し肩の力を抜くと、相手の方とのシンクロが出来るのではないだろうか。常にシンクロを意識してヒアリングを実践していると、相手の方の見えないものまで見えてくることがある。
2020/11/01 08:33 | パーマリンク