「上が言っているから」という言葉は上司に弱いビジネスパーソンの心理を巧みに利用する言葉である。
「虎の威」を借りて自分の意見を通す目的で使われることもままある。だが「主体性に欠ける」と批判されるリスクもあり、実際に上司と打ち合わせをしたうえでこの言葉を使う訳ではないので、実名を出さずに「上」という言葉が出てくるのだろう。自責の世界か、他責の世界か、この言葉は明らかに「他責」の世界である。
あなたは職場で「上が言っているから」という言葉を使っていないだろうか。
また周りの人達もこの言葉を使っていないだろうか。「上がこう言うが、自分はこうだと思う」と言い切れるだろうか?「上がこう言うから自分には責任はないよ」の気持ちがありはしないだろうか?そのような組織は破綻が迫っている可能性大であると言っても過言ではない。
昔私が言ってもいないのに「店長が言っているから」というケースがあった。
誠に無責任な言葉であり、組織の赤信号点滅状態だった時もあった。
もう今ではあまりないがりん議書に印鑑を押す時と、保証人として印鑑を押す時は同じ気持ちや信念で押しているだろうか?りん議書は全員の責任であるし「赤信号みんなで渡れば怖くない」の心境が働かないだろうか?ひるがえって保証人は自分の責任という気持ちが働くものだ。「上が言ったから」はまさにりん議書的感覚ではないだろうか。「自分はこう思う!」と「上の言葉」を咀しゃく出来る人は必ず部下に信頼されるし、組織人として求められる人ではないか。
あなたの職場で「上が言ったから」と言う言葉が出たら、組織は「赤信号点滅」状態かも知れない。そのような状態が続けば、覚悟を決めて打ち破らなければいけない。
他責から「良い提案や気づき」が生まれないし、ましてや「改革」等とても出来ないことを肝に銘じよう。
2020/05/01 08:36