成果主義人事が叫ばれて久しいが本当に定着したという事例が少ないのは「何故だろう?」
大相撲を事例に考えると解かりやすい。負け越せば地位は落ちるし、十両から陥落すれば「関取」ではなくなる。横綱でも成績が悪ければ引退勧告が待っている。誠に厳しい「成果主義」の代表でもある。企業の成果主義が結果的にモラールダウンを引き起こし、競争力弱めたという類の事例が多いのは何故だろうか。おそらく運用に問題がある事は間違いない。成果主義は本来、賃金全体のパイが増えない中で、いかに社員の成果配分を公平にし、能力を引き出そうとしたものである。
以前ある新聞に「ブブカの原理」という言葉があった。あの棒高跳びで有名なブブカであるが、次のような内容である「短期間に目標を上げすぎるから貴重な人材を潰してしまう、会社も個人もブブカの原理を学ぶべきだ、棒高跳びのスターだったブブカは1cm刻みに世界新記録を更新し続けた」。
なるほどと思うが組織ではそうはいかない面も出てくる。個人プレーの集合体が組織として機能するという考え方が出来ておれば問題はない。低い目標に基準を合わせると絶対評価が難しくなるし、無難に仕事をするという風土にもなりかねない。アメリカだったら評価が不満なら即辞めるが、日本では居残り組織に「よどみ」が残り足を引っ張る傾向がある。
大切なポイントはトップと幹部のベクトル合わせが出来て、しかも上司と部下の価値観が合い、お互いに納得出来る目標値になっているのか?「よし、やろう!」という気持ちを持たせられるものであるかに尽きる。そのためには上司が部下の仕事のプロセスを如何に把握し見ているか、またどう修正しているかが大切ではないだろうか。
結果が全てであるが、プロセスが間違っていなければ必ず結果とつながるものと信じて取りくみたいものである。
2020/07/01 07:49